サーエゲ (無人航空機)
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サーエゲ(ペルシア語: صاعقه、英語: Saegheh)は、イランで開発された無人航空機/無人攻撃機である。
概要
[編集]タスニム通信による2016年9月の情報、および翌10月のイスラム革命防衛隊航空部隊ハジザデ司令官の発表によれば、"サーエゲ" (ペルシャ語で稲妻や雷の意)と命名されたこの無人航空機は2011年にイランのハッキングによって鹵獲されたアメリカ製の無人偵察機RQ-170 センチネルを参考に開発されたものであるとされる[1][2]。RQ-170をコピーした原型機「シームルグ」 (Simurgh) は少なくとも2014年11月頃までには初飛行に成功していたと見られ[3]、2015年5月に公表されていた[4]。
オリジナルのRQ-170に兵装が搭載可能かは明確に公表されていないが、これをコピーしたシームルグの武装搭載モデルとされるサーエゲには、4発の誘導爆弾を搭載可能とされている[4]。また、全翼機型の形状は類似するものの、RQ-170のようなステルス性能がシームルグ/サーエゲにあるかは不明である。
2018年2月のイスラエルとシリアの軍事衝突の際、シリア領内からイスラエル領空に侵入した無人航空機をイスラエル航空宇宙軍のAH-64D攻撃ヘリコプターが撃墜した事が報じられたが、この際に撮影された無人機の形状がRQ-170に酷似したものであったことから、撃墜された無人機はイラン製のサーエゲであったと推測されている[5]。
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"コピー元"であるRQ-170 センチネル
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ Sharafedin, Bozorgmehr (1 October 2016). “Iran showcases new combat drone, copied from U.S. unmanned aircraft”. Reuters 2 October 2016閲覧。
- ^ “Iran builds attack drone similar to captured US model, local media say” (2016年10月2日). 2016年10月2日閲覧。
- ^ Christopher P. Cavas (2014年11月12日). “Iran's reverse-engineered RQ-170 drone flies” (英語). INTERCEPTS
- ^ a b “Iran's Stealth UAV Test Site Identified” (英語). UAS VISION. (2016年10月13日)
- ^ Gross, Judah Ari (2018年2月10日). “Iranian UAV that entered Israeli airspace seems to be American stealth knock-off” (英語). The Times of Israel 2018年2月12日閲覧。
関連項目
[編集]- カラール - イラン製無人攻撃機。アメリカ製の無人標的機MQM-107 ストリーカーをベースに開発された。
- ヤシール - イラン製無人偵察機。鹵獲したアメリカ製無人偵察機スキャンイーグルをコピーして量産化した機種。